『塗料報知』2019年12月17日号(3面)掲載記事から
環境色彩の第一人者・吉田愼悟教授による最終講義が7日午後4時30分から、武蔵野美術大学1号館103教室で開かれ、学生、大学関係者など
150人が聴講し、その後パーティが開かれた。
最終講義のテーマは、「基礎デザインと環境色彩計画」。
第2期生として造形学部基礎デザイン科を卒業した武蔵野美術大学において学んだ基礎デザインを都市デザインの中で実践し、蓄積してきた環境色彩分野での足跡を紹介した。聴講者は、2010年から教授の功績を辿りながら拝聴した。
講義内容は
①
基礎デザイン学との出会い「デザインを科学的に捉え、社会に貢献する」
②
カラリストへ「地域には地域の色がある」
③
環境色彩デザインへ「色は動的なものの中にある」
④
地域色の調査「環境色彩計画はお化粧ではなく肌そのものをつくること」
⑤
地域の環境色彩計画「色彩計画は全てのものの関係性を整える」
⑥
景観形成と色彩基準「蓄積された色を見つけ出し、まちづくりに活かす」
⑦
環境色彩計画の海外展開「地域の景色を育てる」の7テーマだった。
恩師、学長、学部長、校友会などのあいさつでは、「色彩の世界のパイオニア」「誇りに思う」「ジャン・フィリップ・ランクロ氏の教えをアジアで結実した」などの声が聞かれた。
吉田氏は、「今日で教育の現場からは去るが、社会の中での環境色彩の実践は続き、きれいなまち、良いまち、活発なまちづくりを続けていきたい。今日の講演の準備にあたり、学生時分の昔に作品を徹夜して仕上げ、再提出になるのではないかと緊張したことを思い出した。大学では、教えてきたことが自分もまた成長させた。今後は、中国での仕事も残っている。基礎デザイン学科で学んだことを実践していきたい」とあいさつを述べ、同時に今後の抱負を語っていた。